日本時間2016年8月11日1:00am更新

*当記事は、米国東部時間2016年8月10日(水)正午に英語版ニュースルーム「Delta News Hub(デルタニュースハブ)」に掲載された記事の日本語訳です。英語原文はこちらをご参照ください。
http://news.delta.com/qa-apac-svp-delta-remains-committed-asia-despite-haneda-agreement

デルタ航空アジア太平洋地域担当上級副社長 ヴィネイ・デューベ

「羽田空港に関する日米航空交渉の合意内容に関わらず、デルタ航空は引き続きアジアを重視していきます。」


デルタ航空は今秋、ニューヨークJFK-成田線、成田-関空線、成田-バンコク線を運休することになりましたが、今後も強固なアジア太平洋のネットワークを維持することに注力していきます。

この決定は、数週間前に米国運輸省が、デルタ航空にロサンゼルスとミネアポリスから羽田空港への昼間の運航便を暫定的に承認したことを受けたものです。デルタ航空は、米国航空会社に配分された羽田の昼間の発着枠5枠のうち、2枠を仮に割り当てられましたが、これは、羽田への限られたアクセスに関する日米間の新たな合意に基づいています。新路線の航空券の販売は、米国運輸省の最終承認後に開始します。

デルタニュースハブは、デルタ航空が5枠のうち2枠の昼間発着枠を暫定的に獲得するに至った日米航空合意の影響について、アジア太平洋地域担当上級副社長のヴィネイ・デューベに聞きました。またデューベは、アジア太平洋地域でデルタ航空が引き続き強力なプレイヤーであり続けるための計画について語りました。 

1.    羽田空港の路線配分の結果が発表されましたが、デルタ航空のアジア太平洋路線にはどのような影響がありますか。

日米航空交渉の合意により、デルタ航空と競合する米国航空会社とその共同事業(ジョイントベンチャー)パートナーが圧倒的に有利になるため、デルタ航空では、米国運輸省が暫定的に認可した路線について詳細な分析を行いました。その結果、世界でも急成長を遂げているアジア地域で長期的な成功を確保するためには、ニューヨークJFK-成田、成田-関空(国際線乗り継ぎ専用)、成田-バンコク線を運休せざるを得ないという結論に至りました。

この決断は非常に難しいものでしたが、デルタ航空は引き続き、長期的にアジアでの成長と強化に注力していきます。そして米国運輸省が、ロサンゼルスとミネアポリスからの羽田便運航を最終的に認可してくれると確信しています。

2.    デルタ航空の今後のアジア太平洋戦略を教えてください。

アジアは世界で最も早く成長しているビジネス地域のひとつであり、デルタ航空にとって重要な地域です。今後の戦略としては、日米航空交渉の合意による影響を軽減するために、アジア太平洋地域のネットワークを見直し、成田以遠のアジア便の一部とミクロネシア(グアム、サイパン、パラオ)便を維持しつつ、おもに米国とアジアを結ぶ直行便を強化します。また、現在運航許可を申請中のロサンゼルス-北京直行便のように、引き続きアジアでの路線拡大の機会を探り、長期的にアジアにおけるデルタ航空の存在を強化し、成長させることを目指します。

3.    米国のお客様が、デルタ航空で東京以遠のアジア各都市に向かう場合、これまでと何が変わりますか。

デルタ航空は、引き続きシアトル、ポートランド、デトロイト、アトランタから成田便を運航し、米国運輸省の最終承認が得られれば、ロサンゼルス、ミネアポリスから羽田便を運航する予定です。また、成田から上海、台北、シンガポール、マニラ便の運航を継続するほか、成田とホノルル、グアム、サイパン、パラオを結ぶリゾート便の運航も継続します。

デルタ航空が運航していないアジアの都市へは、これまでと同様に、中国東方航空、中国南方航空、大韓航空、チャイナエアライン、ベトナム航空、ガルーダインドネシア航空などのスカイチーム加盟航空会社の運航便をご利用いただけます。パートナー航空会社が提供する渡航先はアジア全域で300都市以上にのぼります。

4.    デルタ航空は米国航空会社に割り当てられた羽田の昼間発着枠5枠のうち2枠を獲得する見込みですが、なぜ日本発着便を運休するのですか。

ネットワークを大幅に再編成しなければ、アジア太平洋地域におけるデルタ航空の地位は著しく低下します。先の日米政府間の羽田に関する合意は、羽田空港への昼間のアクセスを制限するもので、日本に共同事業パートナーを持つ他の米国航空会社が有利になります。日本航空と提携しているアメリカン航空と、全日空と提携しているユナイテッド航空は、羽田空港から日本国内やアジアへの乗り継ぎを提供することができるからです。羽田空港は国内線の主要なハブという位置づけでしたが、日本の航空会社は過去10年以上かけて、羽田を基点に広範なアジア便ネットワークを構築しました。このため、日本の航空会社とその共同事業パートナーである米国航空会社は、日米両国に割り当てられた計12枠のうちの8枠を、このアジア・ネットワークに簡単につなげることができます。

この合意以前は、米国航空会社が昼間にアクセスできるのは、東京の中心から40マイル(約64キロ)近く離れた成田国際空港のみでした。デルタ航空は以前から、米国政府は羽田空港の完全自由化を主張すべきという考えでした。日本以外に米国がオープンスカイ協定を締結している国のすべての国際空港は、完全に自由化されているからです。デルタ航空が、成田と羽田の二つの「東京」空港での運航を強いられた場合、重要な顧客層の流れは、デルタ航空の既存の成田便から、地理的優位性の高い競合他社の羽田便に移ってしまうでしょう。

デルタ航空は過去数年にわたり、アジア太平洋地域の利益率を大幅に改善してきました。今回のネットワークの変更は、デルタ航空がこの地域において長期的に成長し、さらなる成功を収めるための施策の一環です。

5.    今回のネットワークの変更は、日本のお客様にどのような影響を与えますか。

ネットワーク変更後も、デルタ航空は日米間の運航便の規模において最大の航空会社のひとつであることに変わりはありません。お客様は引き続き、日本から直行便のあるロサンゼルス、シアトル、ポートランド、ミネアポリス-セントポール、デトロイト、アトランタから、広範な米国内線ネットワークに乗り継ぐことができます。また、日米間で最も需要の高い羽田-ロサンゼルス便では、座席供給量を増やすために使用機材を大型化し、ボーイング777型機を導入します。また、羽田-ミネアポリス便が最終的に米国運輸省に承認されれば、米国中西部や東海岸への便利な乗り継ぎを提供できるようになります。

6.    将来デルタ航空が羽田の昼間の発着枠をさらに獲得する可能性はありますか。

今後、羽田空港の昼間の発着枠が追加されるかどうかは現時点では不明であり、今年2月の日米航空協定の合意内容にも含まれていません。
 

 

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